財務指標を5つのステータスに変換したら、会社の凹みが一目で見えた

#株#つくったもの#会計

四季報に並ぶ数字を、ゲームのステータス画面に変換するツールを作った。

ROE、営業利益率、売上成長率、PER、PBR、自己資本比率、配当利回り。これを5つの能力値に変換して、レーダーチャートとランクで出す。

STOCK RPG

作った理由は単純だ。数字が並んでいるだけでは、頭に入ってこない。ROE 12.4%、PER 18.3倍、自己資本比率 51.2%。1社ぶんならまだ読めるが、3社を比べようとした時点で分からなくなる。

ステータスはこう分けた。

ステータス 使う指標
収益性 ROE、営業利益率
成長性 売上成長率、利益成長率
割安性 PER、PBR
財務 自己資本比率
還元 配当利回り

それぞれを0から100に直して、平均を総合点にする。総合点でランクが決まる。全部そろっていなくてもいい。

85以上 → SS
75以上 → S
62以上 → A
48以上 → B
34以上 → C
それ未満 → D

値がない項目は採点対象から外す。欠けていても止まらない。

しきい値は「満点の条件」から決めた

0から100に直すとき、何をもって100点にするかを決める必要がある。ここが一番悩んだ。正解がない。

ROE 20%        → 満点
営業利益率 15% → 満点圏
自己資本比率 80% → 満点
配当利回り 4.5%  → 満点圏

ROE 20%を満点にしたのは、日本の上場企業でそこまで行く会社が上位にしかいないからだ。8%が及第点、10%を超えると優良、と言われる水準からすると、20%は明確に上振れている。

自己資本比率80%も同じ考え方で置いた。製造業で50%あれば健全とされるので、80%はかなり堅い。

ただし、これは私が置いた数字であって、根拠のある定説ではない。書きながら「これでいいのか」と思っている。しきい値を変えれば、同じ会社のランクは簡単に動く。

割安性という軸がいちばん怪しい

正直に書いておく。5つのうち、割安性だけ性質が違っていて、ここは作りとして間違っているかもしれないと思いながら出している。

PERが低いほど高得点にしている。計算としては素直だが、意味としては危うい。

PERが低いのは、割安に放置されているからかもしれないし、単に誰も期待していないからかもしれない。業績が落ちると分かっている会社は、当然のようにPERが低くなる。それを「割安性が高い」と表示するのは、実態と逆のことがある。

PBRも同じで、1倍を割っているのは資産に対して安いという意味だが、その資産が本当に価値を持っているかは別の話だ。

他の4つ、収益性・成長性・財務・還元は、高いほうが良いとほぼ言い切れる。割安性だけは違う。「高い=良い」が成り立たない。

同じ見た目のレーダーチャートに5本並べていると、そこの違いが消える。これは表示の作りとして正しくない。分かっていて、まだ直せていない。

絵にすると、凹みだけ見える

作ってみて一番よかったのは、数字が読めるようになったことではなかった。

レーダーチャートは、どこが凹んでいるかしか目に入らない。5角形のうち1つだけ内側に食い込んでいると、そこに視線が行く。数字の羅列だと、どの数字が低いのかを毎回比べ直さないと分からない。

会社を見るときに知りたいのは、たいてい「何が弱いか」だ。全部が高い会社は珍しいし、全部が高いなら株価に反映されている。弱点がどこで、それが直りそうかを見たい。

その用途に、レーダーチャートは合っていた。総合点やランクは、正直おまけだと思っている。SSやAという表示は目を引くが、平均を取った時点で情報が減っている。

これは勉強のための道具

財務指標を点数にする作業は、そのまま財務分析の練習だった。

ROEを0〜100点に換算する処理を書くには、ROEが何%なら良いのかを先に決めないといけない。決めるには調べる必要がある。作りながら、指標の水準感が自然と手に入った。

いま公認会計士の勉強をしているので、そこで出てくる指標をこのツールに足していくつもりでいる。勉強したことがそのまま画面に増えていくのは、続ける理由になる。

なおこれは学習用の道具であって、投資助言ではない。しきい値は学習目的で私が独自に設定した基準なので、ランクがSSでも買っていいという意味にはならない。判断は自分で調べたうえで行ってください。

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