
AIにフォーム入力を任せたら3回止まった。3回とも私の指示が間違っていた
目次
ココナラに2件目のサービスを出した。
出品フォームは入力欄が多い。タイトル、キャッチコピー、サービス内容1,000字、購入にあたってのお願い500字、有料オプション、よくある質問が10組、それに選択欄が10個以上。全部で20項目を超える。
文章はすべて手元のファイルに用意してあった。あとは写すだけだ。写すだけなら、AIのブラウザ拡張に任せられる。
任せた。3回止まった。3回とも、止めたのはAIで、間違っていたのは私だった。
つまりこれは、AIが失敗した話ではない。自分の指示の間違いを、AIに見つけてもらった話だ。
1回目 — 存在しないカテゴリ名を渡していた
私は指示書にこう書いていた。
カテゴリ Webサイト制作・Webデザイン → EC商品画像・ページ作成
拡張はこう返してきた。
「Webサイト制作・Webデザイン」という選択肢は存在しませんでした。画面に出ている親カテゴリは次の通りです。(20件の一覧)
ご指定の子カテゴリ「EC商品画像・ページ作成」は、「Web制作・HP作成・EC構築」の下に完全一致で存在します。
親カテゴリの名前が違っていた。子カテゴリは合っていた。
⚠️ ここで「近いから」で進まれていたら、たぶん気づかなかった。似た名前の親が実在したからだ。
2回目 — 選べない金額を指定していた
有料オプションに「追加1枚(+100円)」と書いていた。
金額の選択肢は500円から500円刻み(500円/1,000円/1,500円…)で、100円がありません。設定できないため、初期値の500円のままにしてあります。
100円という選択肢が、そもそもフォームに無い。
勝手に500円にされていたら、1枚あたりの単価が5倍になったまま公開されていた。本文には「1枚につき100円」と書いてあるので、本文とオプションで金額が食い違う。買った人ともめる。
直し方は、値段を上げることではなかった。単位を変えた。
旧 追加1枚 … 100円 → 100円が選べない
新 追加5枚 … 500円 → 単価は同じ100円のまま、500円刻みに乗る
3回目 — タイトルに余計な2文字を入れていた
これが一番わかりにくかった。
ココナラのサービスタイトルは「ます」で終わる決まりがある。入力欄の下にこう書いてある。
※「ます」は必須のため削除できません
だから私はこう渡した。
商品画像の背景を白く抜いてサイズを揃えます
拒否はされなかった。保存もできた。ただ表示がこうなった。
商品画像の背景を白く抜いてサイズを揃えますます
ココナラ側が末尾に「ます」を自動で付けていた。だから自分で書くと二重になる。
正しくはこう入れる。
商品画像の背景を白く抜いてサイズを揃え
19字入れて、表示が21字になる。
ここで分かったことがもう1つある。 入力欄の右下に残り文字数が出るのだが、そこがこう動いた。
21字入れた(=表示23字) → 残り 2
19字入れた(=表示21字) → 残り 4
どちらも足すと25になる。上限の25字には、自動で付く「ます」も数えられている。 つまり自分で書ける実質の上限は23字だった。
⚠️ ここは2026年8月14日時点の、この入力欄での話。根拠は画面の表示と残り文字数だけで、公式のドキュメントは確認していない。 仕様は変わる。
なぜ3回とも気づけたのか
命令文に、これを書いていたからだ。
【止まってほしいとき】※どれも、自分で直さずに止めてください
・文字数オーバーで弾かれた → どの欄が何字オーバーか報告して止まる。
勝手に削らないでください
・指定したカテゴリが選択肢に無い → 画面に出ている選択肢をそのまま並べて報告して止まる
・必須なのに私が渡していない欄がある → 欄の名前を報告して止まる。推測で埋めないでください
「勝手に削らないでください」が一番効いた。
文字数は上限ぎりぎりまで数えてある。AIに削らせると、どこを削ったか分からないまま公開される。減った1字がどこかは、公開後に全文を読み直さないと分からない。
⚠️ 逆に言えば、この3行を書いていなかったら、3つとも**「うまくいきました」で報告が返ってきていた**。カテゴリは近いものが選ばれ、金額は500円になり、タイトルは「ますます」のまま出ていた。
もう1つ、こちらのミスがあった
文章をチャットに貼って渡したら、拡張がこう返してきた。
いただいた本文を数えたところ、申告字数と合いませんでした。 サービス内容 993字(申告)/ 982字(受け取った文章) ■ の前に空行を入れると、両方とも「あと1字」まで一致します。
チャットに貼った時点で空行が落ちていた。 見た目では分からない。
拡張は「どこに空行があるかを推測して補うことはしません」と言って止まった。正しい判断だ。推測で補われていたら、11か所のうちどこが復元されてどこが違うか、誰にも分からなくなる。
解決はファイルの添付だった。改行も空行も全角半角も、そのまま届く。
決めること(これから同じことをやる人へ)
失敗の一覧ではなく、先に決めておくことの一覧として書く。
1. 「自分で直さずに止まれ」を、条件ごとに書く
「気をつけて」では止まらない。何が起きたときに止まるのかを、状況ごとに列挙する。文字数オーバー、選択肢が無い、指定していない欄がある。この3つは最低限入れる。
2. 文字数を自分で削らせない
削られると、どこが削られたか追えない。上限ぎりぎりの文章ほど危ない。
3. 長い文章はチャットに貼らず、ファイルで渡す
空行が落ちる。しかも見た目では分からない。字数を先に伝えておくと、受け取った側が検算できる。
4. こちらが指定した名前が実在するとは限らない
カテゴリ名、選択肢の文言、金額の刻み。画面を見ていない側(自分)が書いたものは、画面を見ている側(AI)に照合させる。「無ければ選択肢をそのまま並べて報告して」と書けばいい。
5. 選べない値を指定していたら、値ではなく単位を変えられないか考える
100円が選べないなら、5枚500円にすればいい。単価は変わらない。
最後に
AIに任せて怖いのは、壊されることではなかった。
黙って直されて、うまくいったように見えることだった。
3回とも、AIが止まってくれたから気づけた。止まったのは、止まる条件が先に書いてあったからだ。書いていなければ、3件とも「完了しました」で返ってきていた。
丁寧に整えられたものは、間違っていても正しく見える。散らかっているものを疑うより、きれいに整っているものを疑うほうが難しい。
だから、疑う場所を先に決めておく。
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