AIで自動でブログは作れるけど、出てきたのはゴミだった
ブログの記事をAIに書かせた。テーマを渡すと、見出しが並んで、表が入って、最後にまとめが付いた文章が出てくる。
早い。1本が数分で出る。形も整っている。
そして全部書き直した。1本も、出てきたまま公開していない。1本も、だ。
何がだめだったのかを、感想ではなく数字で書く。
実測すると、こうなった
最初の4本を、自分で書いた判定スクリプトにかけた。
強調(太字) 27 / 27 / 24 / 19 箇所 合計 97
見出しの密度 1,000字あたり 3.3〜4.6 個(目安 3.0)
箇条書きの比率 本文行の 48%
「まとめ」 4本中3本の最後に付いていた
文の長さの偏差 10前後(人が書くと 12以上になる)
太字が97箇所。1本あたり24箇所ある。
読者は太字だけ拾って、間を飛ばす。飛ばしても意味が通る文章になっているので、実際に飛ばされる。
4本を並べて気づいたのは、構成がそろっていることだった。
はじめに、本論を3つか4つ、最後にまとめ。表が1つか2つ。箇条書きが数ヶ所。太字が20箇所。
テーマは全部違うのに、骨格が同じだ。
これはAIが手を抜いているのではなくて、そういう形が「良い記事」として学習されているからだと思う。読みやすい構成の平均を取ると、この形になる。
問題は、平均を取ったものは平均にしかならないことだ。同じ形の記事はすでに何万本もある。
中身のほうがもっと問題だった
形は直せる。太字を消せば済む話だ。太字を消して、見出しを減らして、まとめを地の文に戻せば30分で終わる。
直せなかったのは中身だ。
AIが書いた4本を読み返すと、どこにも私が書く理由がなかった。書いてあることは、検索すれば出てくることばかりだった。もっと言えば、その検索結果を並べ替えたものだった。
例えば「楽天の商品登録を効率化する方法」という下書きには、CSVを使いましょう、テンプレート化しましょう、と書いてあった。正しい。ただ、それを読んで何かが変わる人はいない。
一方で、書き直したあとの記事にはこう書いてある。
属性を1つ空にすると、その商品のSKUが6件まとめて落ちる。
エラーは6件出るが、直すべき箇所は1つ。
これはAIには書けない。私が実際に弾かれるまで、世界のどこにも書かれていなかった情報だからだ。
AIは形を作れるが、材料は作れない
やってみて分かったのは、分担がはっきりしていることだった。
AIができるのは、順番を決めること、言い回しを整えること、抜けを埋めること。これは本当に速い。1本数分は誇張ではない。
AIができないのは、材料を持ってくることだ。何時間かけて何に詰まったか、どのエラーメッセージが出たか、そのとき何を勘違いしていたか。これは実際にやった人しか持っていない。
材料が無い状態でAIに書かせると、形だけが出てくる。それがゴミの正体だった。
判定に使った外部ツールでも、同じことが数字に出ていた。
具体性の少なさ 0 / 12 数字・引用・体験語の手がかりが 94個
人間味の薄さ 0 / 18 主観・ゆらぎの手がかりが 87個
これは書き直したあとの記事の結果だ。減点ゼロになっているのは、実際にやったことを書いたからで、文体を直したからではない。
いまは順番を逆にした。
【前】テーマを決める → AIに書かせる → 直す
【後】作業する → 詰まったことをメモする → AIに整えさせる → 直す
先に作業がある。書くことは作業の副産物として出てくる。
この形にすると、AIに渡す材料が最初からあるので、出てくるものが変わる。整える相手が「一般論」ではなく「私が踏んだエラー」になるからだ。
そして書くために作業を増やす必要もない。仕事はどのみちやっている。詰まったところを1行メモするだけで、材料は勝手にたまる。
ゴミが出るのは、AIのせいではなかった
最初は「AIに書かせるとゴミが出る」と思っていた。
いまは違うと思っている。材料を渡さずに書かせたから、形しか出てこなかった。それだけだ。同じAIに、自分が踏んだエラーと数字を渡すと、まったく別のものが出てくる。
道具は変わっていない。渡すものを変えただけで結果が変わった。
なので、AIでブログを自動化したい人がいたら、自動化すべきなのは執筆ではなく整形だと思う。書く材料は、自分が動いた分しか出てこない。