ECON BASICS
世界一やさしい 経済のきほん(例え話でわかる)
①金利ってなに?
金利は「お金のレンタル料」。
お金を借りたら、お礼としてちょっと多めに返します。この“上乗せ分”が金利です。反対に、お金を預ける・貸す側になると、この上乗せをもらえます。
- ローンやカード払い → あなたが借りる側 → 金利を払う
- 銀行預金 → 銀行があなたのお金を借りてる → 金利をもらえる
友達に1,000円を貸して「ありがとう、1,100円で返すね」と言われたら、その差の100円が金利。銀行に100万円を金利2%で1年預けたら、1年後に2万円増えるイメージ。
②金利はなぜ上がったり下がったりする?
金利は経済の「アクセルとブレーキ」。
世の中が元気になりすぎてモノの値段が上がりすぎたら、金利を上げてブレーキ。みんなお金を借りにくくなり、使う量が減って落ち着きます。逆に元気がないときは金利を下げてアクセル。お金を借りやすくして、みんなが使うようにします。
この金利のアクセル・ブレーキを踏んでいるのが日本銀行(日銀)です。ニュースで聞く「利上げ・利下げ」はこれのこと。
お祭りが混みすぎたら入場料を上げて人を減らす(利上げ)、ガラガラなら入場無料にして人を呼ぶ(利下げ)。それと同じ発想です。
③インフレ・デフレ
インフレ=モノが高くなる。デフレ=モノが安くなる。
- インフレ:去年100円だったジュースが120円に。値段が上がる=同じ100円で買えるモノが減る=お金の価値が下がったということ。
- デフレ:値段が下がる。一見うれしいけど、「もっと待てば安くなる」でみんな買わなくなり、お店の売上→給料が減る…と悪い流れになりがち。
だから「毎年ちょっとずつ上がる(年2%くらい)」のが健康な経済とされています。
インフレだと現金は放っておくと価値が目減り。だから株や投資でお金を働かせる意味が出てきます。
④複利 ― お金の雪だるま
利息が利息を生んで、転がすほど大きくなる。
ついた利息が元のお金にくっついて、次はその増えたお金にまた利息がつく。小さな雪玉を転がすとどんどん大きくなるのと同じです。だから時間をかけるほど効きます。
かんたん計算「72の法則」:72 ÷ 金利(%) で、お金が2倍になる年数がわかる。
金利6%なら → 72 ÷ 6 = 約12年で2倍。
投資のいちばんの武器が複利。だから「早く始めて、途中で引き出さない」が強い。
⑤金利と株の関係
金利が上がると、株は下がりやすい。
金利が高いと「銀行に預けとくだけで増えるなら、値下がりするかもしれない株を無理に買わなくていいや」と考える人が増えます。だから株からお金が抜けて、株価は下がりやすい。
逆に金利が低いと「預けても増えない。だったら株で増やそう」となって、株にお金が集まりやすい。
前に作ったスコアの「割安性(PER・PBR)」が効くのはこれが理由。金利が高い時期は“お買い得な株”が見直されやすいんです。
⑥円安・円高
お金は「金利が高い国」に集まる。だから円安・円高が起きる。
たとえばアメリカの金利が日本よりずっと高いと、みんな円を売ってドルに換えたくなります。円が売られて余ると、円の価値が下がる=円安。逆なら円高。
アメリカの金利が高い→
円を売ってドルを買う→
円安
円安になると、輸入品(ガソリン・小麦・海外旅行)が高くなる。反対に、海外に売る会社(車・半導体など)はもうかりやすくなります。
⑦経済の循環:作る → 分ける → 使う
経済は「作る→分ける→使う」がグルグル回っているだけ。
会社がモノを作り(生産)、働いた人に給料を分け(分配)、もらった人が買い物で使う(消費)。使われたお金が次の「作る」を生む…このくり返しが経済です。
パン屋さんがパンを作る → 店員さんに給料を分ける → 店員さんがそのお金でランチを使う → そのお店がまた仕入れて作る…。町全体でこれが回っているのが経済です。
⑧需要と供給 ― 値段の決まり方
「欲しい人の数」と「モノの数」で値段は決まる。
- 欲しい人が多くて、モノが少ない → 値段は上がる
- モノが余っていて、欲しい人が少ない → 値段は下がる
下のグラフの、2本の線が交わるところが、実際に売り買いされる値段(均衡価格)です。
行列のできる人気ラーメン屋さんは、強気の値段でも売れる(欲しい人が多い)。閉店セールのお店は安くしないと売れない(モノが余ってる)。それだけの話です。
じつは金利も「お金の値段」。お金を借りたい人が多ければ金利は上がり、お金が余れば金利は下がる。株価も同じで、買いたい人が多ければ上がります。ぜんぶこの仕組みの応用です。
⑨ぜんぶ つながってる ― 株価を動かすもの
株価は1つの理由じゃなく、いろんな力の“綱引き”で決まる。
これまで出てきた「金利・景気・為替・会社の成績・需要と供給」は、じつは全部株価につながっています。矢印の色は、株を押し上げる力(緑)と押し下げる力(赤)。
たとえば「景気が良い → 会社がもうかる(成績↑)→ 株を買いたい人が増える(↑)」と、いくつもの力が同時に株価を押し上げます。逆に「金利が上がる」と押し下げの力(赤)が働く。この綱引きの結果が、今日の株価です。
※これは“よくある傾向”です。実際は複数の力が同時に働くので、いつもこの通りに動くとは限りません。
⑩決算の数字は どうつながる?
むずかしそうな数字も、じつは「売上」から“わり算”で枝分かれしてるだけ。
会社が売った売上から経費を引くと利益(もうけ)。あとはこの利益を、いろんなもので割っていくと ROE や EPS・PER が出てきます。流れで見ると一気にラクになります。
そして、これらの数字がスコアカードの能力値に化けます。どの数字がどの能力になるかがこれ↓
| 決算の数字 | ひとことで | スコアの能力 |
| 売上・利益 | もうけの大きさ | 収益性 |
| ROE | 稼ぐ“効率”のよさ | 収益性 |
| PER・PBR | 株価が割安か割高か | 割安性 |
| 自己資本比率 | 会社の体力(つぶれにくさ) | 財務 |
| 配当利回り | 株主にどれだけ配るか | 還元 |
つまりスコアカードは、この決算の数字たちを「強さ」に変換して並べたものです。数字が読めなくても、カードを見れば「この会社は稼ぐ力が強いんだな」が分かる、という仕組み。
⑪ニュースと株のかかわり(早見図)
ニュースは「どの力が動くか」を教えてくれる合図。
⑨の図で出てきた「金利・景気・為替・会社の成績」。ニュースは、そのどれが動きそうかのヒントです。よくある見出しを「株が上がりやすい/下がりやすい」で並べました。
📰「日銀が利上げ」
借入コスト増+預金が有利に → 株から資金が抜けやすい
株 ↓
📰「景気回復・GDPプラス」
会社がもうかりやすい → 買いが増える
株 ↑
📰「円安が進む」
海外に売る会社(車・半導体など)の利益が増える
輸出株 ↑
📰「○○社 過去最高益」
その会社の成績◎ → 決算スコアも上がる
その株 ↑
📰「物価が急上昇(インフレ)」
利上げされるかも、という警戒が広がる
株 ↓
📰「戦争・大きな不安」
みんな安全志向に → リスクのある株が売られる
株 ↓
「日銀が利上げ」というニュースを見たら、頭の中で ⑨の図の金利の赤い矢印が光るイメージ。ニュース → どの力 → 株、の順でつなげれば読めるようになります。
※これも“よくある傾向”。すでに株価に織り込み済みだと逆に動くこともあるので、見出しに一喜一憂しすぎないのがコツ。
やさしい用語集
| 言葉 | ざっくり意味 |
| 金利 | お金のレンタル料。%で表す。 |
| 日銀(日本銀行) | 日本のお金の量を調整する“銀行の親玉”。 |
| 利上げ / 利下げ | 金利を上げる / 下げること。景気のブレーキ / アクセル。 |
| インフレ / デフレ | モノが高くなる / 安くなること。 |
| 円安 / 円高 | 円の価値が下がる / 上がること。 |
| 複利 | 利息が利息を生む“お金の雪だるま”。 |
| GDP | 国全体が1年で稼いだ合計。国の“年収”みたいなもの。 |
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